子犬の拾い食いは、好奇心や空腹、そして飼い主の反応が“楽しい遊び”として学習されることが原因になりがち。放置すれば中毒・窒息・腸閉塞など命に関わる事故にもつながります。
この記事では、散歩中に効く「離せ」「ダメ」コマンドの実践ステップ、リードワークと立ち位置のコツ、口輪やトリーツポーチの上手な使い方、そして家でできる擬似練習×ポジティブ強化までを丁寧に解説。今日から“拾わない・見てもスルーできる”を習慣化して、安心して歩ける毎日に。
また落ちてる物を口に入れたね…散歩が心配だな。
つい気になって触っちゃうんだ。おいしそうにも見えるし…。
「離せ」と交換でご褒美にしよう。リードの持ち方も変えてみるよ。
わかった!ぼくは“見てもスルー”を練習するね。ご褒美、楽しみ!
1.なぜ子犬は拾い食いするのか?

好奇心/空腹/ストレスによる行動
子犬は世界を知る手段として「口」を多用します。散歩中の落ち葉や小石、落ちている食べ物などを咥えるのは、本能的な探究心の表れです。しかし、好奇心だけでなく、空腹や退屈、運動不足によるストレスも拾い食いにつながります。散歩前にしっかり食事を済ませ、十分な遊びや知育玩具で刺激を与えることが、無用な「口の探索」を減らす近道です。
飼い主の反応を楽しむケースも
一部の犬は、物を口に入れたときに飼い主が慌てて追いかけるのを「遊び」として学習してしまいます。結果として、拾い食いが“構ってもらえる行動”に変わり、ますます癖が強まることもあります。ここで重要なのは「冷静に指示し、正しく対応すること」。不必要に追いかけず、代わりにオヤツやコマンドで切り替えることが効果的です。
2.拾い食いが招く危険とリスク

誤飲・誤食による中毒・窒息の可能性
落ちている食べ物には玉ねぎやチョコレートなど犬に有害な成分が含まれている場合があります。また串や骨、ビニール袋などを飲み込むと、消化管の閉塞や内臓損傷のリスクが高まります。小型犬では特に窒息や喉の損傷も起こりやすいため、注意が欠かせません。
病院にかかるケースも少なくない
実際に、拾い食いによる中毒や腸閉塞で動物病院に駆け込むケースは少なくありません。緊急手術が必要になる場合もあり、犬の命を守るためだけでなく、飼い主の経済的負担も非常に大きくなります。つまり拾い食い対策は「命の安全」と「家族の安心」の両方を守る行為といえます。
3.散歩中の拾い食いを防ぐしつけ方

「離せ」「ダメ」のコマンド強化
拾い食いを完全にゼロにするのは現実的には難しいため、口に入れてしまった後の「離せ」のコマンドは必須です。日常の遊びの中でオモチャを咥えさせ、オヤツと交換して褒める練習を繰り返すことで、「放すと良いことがある」と学習します。加えて「ダメ」の一言で動作を中断できるようにしておけば、口に入れる前に制止できる確率が高まります。
リードの長さと飼い主の立ち位置を見直す
散歩時にリードが長すぎると、犬が地面のものに素早くアクセスしてしまいます。常に犬の視線や鼻先をコントロールできる距離を保ち、飼い主が半歩前を歩く形を意識することで、拾い食いの機会を減らせます。アイコンタクトを習慣づけることも忘れずに。
4.拾い食い防止グッズの活用

口輪・口元カバーのメリットと注意点
拾い食いがどうしても改善しない場合は、口輪やマズルガードの活用も選択肢になります。口に直接物を入れられなくなるためリスク回避につながりますが、装着時間は短めにし、必ずサイズと通気性に注意しましょう。訓練の補助として用い、犬が苦痛を感じすぎないよう配慮が必要です。
トリーツポーチで注意をそらす方法
散歩中に「地面を見る」前に、飼い主がリードを軽く合図し、すぐにオヤツを与えることで拾い食いへの意識をそらせます。トリーツポーチを腰に常備しておけばタイミングを逃さず、犬も「飼い主を見ればご褒美がある」と学びます。これが続くと、自然と地面より飼い主を見る習慣が身につきます。
5.家でもできる予防トレーニング

擬似練習で反射的な拾い食いを抑える
家の中で、床に食べ物そっくりのオモチャや安全なオヤツを置いて練習するのも効果的です。犬が近づいた瞬間に「ダメ」と声をかけ、正しく従えたらすぐ褒めて報酬を与える。この繰り返しが“反射的な抑制”につながります。失敗して食べさせてしまうより、練習環境で成功体験を積むほうが効果的です。
褒めて学習させるポジティブ強化
叱って止めるのではなく、正しくできた行動を徹底的に褒めるのが鉄則です。拾い食いを我慢できた瞬間に声で褒める、アイコンタクトできたらオヤツを与える。これにより「拾い食いをしないといいことがある」という学習が進み、散歩全体がストレスのない時間に変わっていきます。
6.まとめ:拾い食い対策は命を守る第一歩。根気よく続けよう

子犬の拾い食いは、好奇心や空腹、不安や退屈など多くの要因が絡んだ自然な行動です。しかし、そのまま放置すると中毒や窒息など命に関わる事故につながりかねません。正しいコマンドの習得・リードワーク・防止グッズの活用・家庭内での練習を組み合わせて、少しずつ改善を積み重ねましょう。大切なのは「叱る」より「褒める」。根気強くポジティブに向き合うことで、犬も飼い主も安心して散歩を楽しめるようになります。
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