子犬の夜泣きは“わがまま”ではなく不安のサイン。環境の変化や孤独感、寝床の不適合が原因になりがちです。
日中の過ごし方や短時間の一人練習も夜の落ち着きに影響します。詳しくは👉子犬の留守番を安全に始めるコツも参考にしてください。
本記事では、近所迷惑を防ぐ配慮と防音の基本、安心できる寝床づくりと音・光の演出、やってはいけない対応、そして根本解決につながる就寝ルーティンと段階的トレーニングまでを解説。思いやりと一貫したしつけで、今夜から少しずつ静かな夜へ。
今夜はここで眠ろうね。君の匂いの毛布もあるよ、そばにいるから安心して。
うん…ちょっとドキドキするけど、毛布があると落ち着くかも。
1.子犬が夜泣きするのはなぜ?

環境の変化/母犬や兄弟と離れた不安
お迎え直後の子犬は、これまでの匂い・音・温度・生活リズムが一度に変わります。群れから離れた直後は、暗く静かな夜ほど不安が強まりやすく、鳴くことで「誰か来てほしい」と助けを求めます。
まずは、毎晩同じ時間に照明を落とし、体が沈む寝床を整え、部屋の温度を一定に保つ。そんな“予測できる夜”を続けることが安心の土台になります。
寝床が落ち着かない・孤独感によるもの
寝床が硬い、寒い・暑い、周囲が明るい/物音が多いと、子犬は眠りの入口で躊躇します。囲われ感のあるケージに、普段の匂いが残る毛布やブランケットを入れ、そっと薄布をかけると“巣穴”のような安心が生まれます。
最初の数日は、飼い主の寝息や小さな生活音が届く距離に寝床を置き、孤独感をやわらげるのが近道です。
2.近所への配慮と事前の対策

集合住宅での音漏れ対策グッズ
集合住宅では、音を「出さない」のではなく「伝わりにくくする」工夫が現実的です。クレートの下に厚手のラグやジョイントマットを重ね、壁から数センチ離して設置すると振動が抜けにくくなります。クレートの周囲に吸音パネルや分厚いカーテンを配し、夜間はホワイトノイズをうっすら流すだけでも、突発的な鳴き声の角が取れます。覆い過ぎての温度上昇や酸欠には必ず注意しましょう。
挨拶や張り紙による理解促進の工夫
迎え入れ直後の数週間は、どうしても夜泣きが起こりがちです。あらかじめ上下左右の住戸へ短い挨拶をして、「防音対策とトレーニングを始めているので、気づいたことがあれば教えてください」と伝えておくと、苦情ではなく対話になりやすくなります。掲示板に期間限定の告知をお願いできる物件もあります。誠実な一言が、心理的ハードルを大きく下げます。
3.夜泣きを和らげるケア方法

安心できる寝床づくり(クレート・ぬいぐるみ等)
寝床は“毎晩同じ香り・同じ触感・同じ手順”で用意します。クレートは立って向きを変えられる程度の“ぴったりサイズ”が落ち着きます。季節に応じて断熱マットや冷感マットを敷き、母犬・兄弟の匂いが残る布や湯たんぽ代わりのぬいぐるみで温もりを補うと、入眠までの不安が目に見えて短くなります(低温やけどに注意)。
人の気配を感じられる音・光の演出
真っ暗が不安なタイプには、遠くに置いた暖色の常夜灯が有効です。テレビの小さな音やホワイトノイズは、外の物音をやわらげ、“家族がそばにいる”感覚を保ってくれます。最初の数日は寝床を寝室近くに置き、落ち着いて眠れるようになったら、定位置へ少しずつ移動させましょう。
4.絶対にしてはいけないNG対応

無視しすぎる/怒鳴る・叩く/抱き癖をつけすぎる
長時間の完全無視は不安を長引かせ、怒鳴る・叩くは「夜=怖い時間」を学習させます。抱き上げて黙らせるのも、鳴けば来てくれるという誤学習を招きます。理想は、静かにできた瞬間を見逃さずに小さく褒めること。鳴き始めたら過度に反応せず、落ち着きを取り戻した時にだけ関わる。このメリハリが行動を安定させます。
悪化する前に見直すポイント
1〜2週間たっても改善が乏しい、日中まで過覚醒が続く、吐き戻しや食欲低下が見られる。そんな時は、温湿度や寝床の位置、日中の運動と知的刺激、就寝前の給餌量を順に点検を。迷ったら早めに獣医師やトレーナーへ相談し、健康と学習の両面から調整しましょう。
5.根本解決に向けたトレーニング法

寝る前のルーティンで安心感を持たせる
「遊ぶ→排泄→静かな時間→寝床へ→褒める→消灯」のように、毎晩同じ順番で過ごすだけで、夜の予測可能性が高まります。就寝直前の激しい遊びやたっぷりの給水は避け、落ち着いた呼吸に戻ってから寝床へ誘導します。伏せてリラックスできたら小さくご褒美。これを“いつも通り”にするほど、泣く理由が減っていきます。
徐々に一人で寝られる練習のステップ
最初は人の気配が届く場所から始め、数日ごとに少しずつ距離を広げます。うまくいっている日は現状維持、崩れた日は距離を戻して再挑戦。部屋を出る練習も、鳴き出す前の短い秒数から。戻ってきた時に静かでいられたら褒める――この成功体験の積み重ねが“ひとりで眠れる力”になります。前進と後退を繰り返しながら、全体として右肩上がりを目指しましょう。
6.まとめ:子犬の夜泣きは「しつけ」と「思いやり」の両立がカギ

夜泣きはわがままではなく、不安の表現です。落ち着ける寝床と環境づくりで安心を与え、近所への配慮で余計なストレスを避け、同じ手順のルーティンと段階的な練習で根本を整える。この三本柱を丁寧に続ければ、夜は確実に静かになっていきます。困ったときは、早めに専門家へ。子犬のペースに合わせて、安心の夜を一緒に育てていきましょう。
夜泣きの多くは環境と学習で改善できます。昼間の過ごし方も夜の安定に直結するため、
👉子犬の留守番をスムーズに始める方法
もあわせてチェックして、24時間のリズムを整えていきましょう。
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