爬虫類の中でも、小型で可愛らしい見た目が魅力的な「ニシアフリカトカゲモドキ(ニシアフ)」。比較的飼育しやすい種類なので、飼育初心者向けの爬虫類としても広く知られています。
この記事では、ニシアフリカトカゲモドキの基本的な生態を踏まえたうえで、飼育に必要な用品と飼育環境についてご紹介。生餌・人口餌やハンドリングについても解説していますので、お迎えを検討中の方は参考にしてみてくださいね。
今回は飼育前に必要な準備などを紹介させていただきます!
「レオパ」との違いは?ニシアフリカトカゲモドキの特徴と生態
ニシアフリカトカゲモドキ(通称:ニシアフ)は、その名のとおり西アフリカに生息する爬虫類の一種です。「トカゲモドキ」とありますが、ヤモリの仲間に分類されます。
同じく人気の爬虫類として混同されがちなのが「ヒョウモントカゲモドキ」。「レオパードゲッコー」「レオパ」の呼称でも知られていますが、ニシアフリカトカゲモドキはレオパに比べるとやや大きく、性格がおっとりしている個体が多いのが特徴です。
体つきも少しがっしり、むっちりしているね!
寿命は、飼育環境によるものの平均5年程度、長い個体では15年程度生きるケースもあります。省スペースで変える爬虫類ですが、10年後を見据えた準備が必要です。
食性は完全な肉食で、野生下では夜間に小さな昆虫や哺乳類などを食べています。肉食とはいえ過度に凶暴な個体は少なく人口餌を食べる場合も多いため、よく知られているとおり初心者もお迎えしやすい種類といえるでしょう。
ニシアフ飼育に必要なアイテム・環境
ニシアフリカトカゲモドキの飼育には、ケージ(容器)のほかに床材やシェルターなどが必要です。
- ケージ(飼育容器)
- 床材
- シェルター(隠れ家)
- パネルヒーター
- 水入れ
ペットの健康状態を維持するためにも重要な用品なので、不足なくそろえられるよう押さえておきましょう。
ケージ(飼育容器):動きやすい広さを用意しよう
ニシアフリカトカゲモドキが生活するためのケージは、狭すぎないサイズが重要。飼育下では、頭からしっぽの先まで最大25cmほどまで成長します。ストレスなく過ごせるよう、横幅30cm×奥行20cmを最低限の大きさとしてケージを選びましょう。
飛び跳ねたり樹木を登ったりする生き物ではないため、高さは15cm程度あれば問題ありません。ニシアフやレオパ向けに販売されているケージであれば、シェルターや水入れを入れた状態でも終生飼育できるでしょう。
幅30×奥行20cm×高さ15cmを最低ラインとして選びたいね!
床材:粒が小さいものを。ペットシーツでもOK
ニシアフリカトカゲモドキのように地表で生活している爬虫類のケージには、床材を敷いておく必要があります。ガラスやプラスチックは足が滑って踏ん張りづらく、足の健康を害するリスクが高まるためです。
野生環境に近づけたい方には、細かい砂状の床材やパームマットがおすすめ。粒が大きすぎるものは誤飲したときに消化できず腸閉塞になる可能性があるため、ハスクチップのような床材は避けましょう。
ケージの見た目を気にしないのであれば、ペットシーツやキッチンペーパーを用いる方法もあります。床を掘る仕草をする場合、吸水ポリマーを誤飲するリスクがあるため慣れるまでは観察できると安心です。
シェルター(隠れ家):十分な湿度が保てるものを置く
夜行性のニシアフリカトカゲモドキは、日中の多くの時間は岩の隙間などに隠れて過ごします。飼育下でもこの環境を再現するために、ニシアフの体がすべて入るサイズのシェルター(隠れ家)を設置してあげましょう。
シェルターは隠れられるスペースを作ってストレスを軽減するだけでなく、湿度を保持する役目も果たします。通常60%、脱皮前は80%前後の湿度をキープしたいため、水を入れて湿度を高められるウェットシェルターを用意しておくのがおすすめです。
パネルヒーター:ケージ内で温度の勾配をつけよう
ニシアフリカトカゲモドキは高温多湿な環境に生息しています。冬眠させる場合を除き、ケージ内温度は最低でも26度以上をキープしなければなりません。さらにニシアフがある程度好きな温度を選んで過ごせるよう、パネルヒーターを使ってホットスポットを作りましょう。
ケージの3分の1、かつシェルターの2分の1の範囲にパネルヒーターがあるのが理想。パネルヒーターは多数の商品が販売されているためケージに合ったサイズ・形状を選び、温湿度計で定期的にチェックしながら環境を整えてあげましょう。
水入れ:倒しづらい重たいものがよい
水入れは、ニシアフリカトカゲモドキの経口水分補給だけでなく、水風呂のように全身浸かるためにも必要です。喉が渇いたときに飲むのはもちろん、脱皮前など湿度を欲しているときに全身入るサイズを用意しましょう。
上部に水を入れるタイプのウェットシェルターがある場合は、シェルターに十分な水を常時入れておくだけで問題ありません。もちろん水入れのみを直接設置してもよいですが、タッパーのように軽いものは倒してしまう恐れがあるため、なるべく倒しづらい重たい容器を選びましょう。
ニシアフリカトカゲモドキの餌は活餌でも人工餌でもOK!
ニシアフリカトカゲモドキは完全肉食なので、基本的にはコオロギやゴキブリ(デュビア・レッドローチ)、ハニーワームなどを与える必要があります。ただし、活餌が苦手な方や入手が困難な場合は、爬虫類用の人工餌を与えてもOKです。
人工餌も種類が多いから、ニシアフの好みを試せるね!
「コオロギだけ」「ハニーワームだけ」など種類を限定すると栄養が偏るリスクがありますが、人工餌はバランスが考えられているため、別途カルシウムパウダーなどを添加しなくてもよいのがメリット。一方で、人工餌に慣れていないニシアフはそもそも餌と認識しないケースもあるため、食いつきに合わせて使い分けるのが最善です。
メリット | デメリット | |
活餌 | ・食いつきやすい ・野生由来の栄養が摂れる | ・活餌の管理が大変 ・種類によってはにおいが気になる |
人工餌 | ・好きなタイミングで与えやすい ・栄養バランスがよいものが多い | ・個体によっては餌と認識しない場合がある |
ニシアフはなつく?ハンドリングについて
生き物を手や腕に乗せることを「ハンドリング」といい、ニシアフリカトカゲモドキもハンドリングをすることは可能です。ただし、飼い主を認識して愛情関係が築ける犬・猫などとは異なり、爬虫類であるニシアフリカトカゲモドキは「なつく」よりも「慣れる」という表現のほうが適しています。
一方通行の愛情表現……
とはいえ、人の手から餌を食べることに慣れると、お腹がすいたときに自ら手に乗ってきてくれることも…!日頃からスキンシップを取っておくと、体調不良に気付きやすくなったり、体の観察がしやすくなったりといったメリットもあります。ニシアフがストレスを感じない程度の距離感を意識しながら、ハンドリングを楽しみましょう。
ペットショップなどで見る「モルフ」とは?
爬虫類飼育を考えているときに、「モルフ」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。ニシアフリカトカゲモドキの個体情報に記載されるケースも多く、これは通常の体の色(ノーマル)以外に、遺伝によってカラーや柄のパターンが異なる個体を判別するための言葉です。
「アルビノ」もモルフの一種だよ!
ニシアフリカトカゲモドキのモルフは非常に豊富なバリエーションがあり、モルフによって販売価格も変動します。もちろん予算に応じて選ぶのは大切ですが、10年またはそれ以上を共にする大切な家族として、自分が惹かれる素敵なモルフ・個体を探しましょう。
ニシアフリカトカゲモドキが快適に過ごせる環境を準備しよう!
ニシアフリカトカゲモドキは、本来高温多湿傾向の環境を好む夜行性爬虫類です。ペットとして多くの人に愛される種類ではありますが、ニシアフが快適に、なるべくストレスなく過ごせる環境を整えられるよう配慮しなければなりません。今回ご紹介した飼育用品や解説内容を参考に、素敵な飼育環境を作って共同生活をスタートしましょう!
まとめ:ニシアフリカトカゲモドキの飼い方
ニシアフリカトカゲモドキを飼いたい場合は、虫餌にも慣れている必要がありますね…!
ニシアフリカトカゲを飼育する準備が整った方はブリーダーさんnやペットショップで実際に整体を見に行ってみてください!
この子と思うえる子に出会えるまでには時間がかかるかと思いますが、たくさんハンドリングさせてもらい可愛い子を見つけちゃってくださいね!